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現場で頼りになる男性スタッフは
いつも自信に満ちている
笑顔の絶えない女性の調査スタッフ
お客様の信頼も絶大だ
現場での息の合ったチームワーク。
それも、マックスエンジニアリング
を象徴している
それは、「人の健康被害への防止」という本来の目的が、「資産価値」のための調査に変わってしまうということ。法律の内容が、特定有害物質の基準値を超えると汚染とみなされるため、資産価値に影響してしまう。土壌汚染対策法では、所有者に対策の義務が生じるため、汚染がでれば浄化しなくてはならず、その費用は莫大。資産価値どころか、土地は売れなくなり、購入後に汚染が出れば裁判も起きてしまう。

「法律ができる4年前から土壌汚染調査の仕事をしていた私は、法律ができることで不動産取引トラブルが相次ぐだろうと懸念していました。法律で定められている基準値が厳しすぎるため、汚染レベルではない土地でも、基準値を超えてしまうのです」

この問題解決に立ち向かったのが澤田英雄社長、法制化と同時にマックスエンジニアリングを創業した。2003年、37歳の時である。
土壌汚染の調査とは、登記簿謄本や古地図、空中写真、ヒアリングなどで情報を集め、土壌汚染のリスクを診断する。これがフェイズⅠの地歴調査。問題が出なければこの報告で終わるが、リスク情報が出た場合は、土地の表層50㎝くらいを採取し分析。人為的な汚染なのか、自然由来なのか、様々な判断が求められる。さらに基準を超えれば、ボーリング調査で10m の試料を採取し、汚染の範囲を調べる。この土の調査と分析がフェイズⅡだ。
法律では25の特定有害物質が定められており、すべてを調査すれば、一つくらい基準値を超えることは珍しくない。自然由来というものもあり、ヒ素、鉛、フッ素といった重金属は、汚染レベルではなくても基準値を超えしまう。全部を調査するのか、絞り込むのかでやり方は変わってくるのだが、実際は、全項目を実施する調査会社が多く、数値だけを俯瞰すれば、汚染された土地となってしまう。
例えば、土地の用途が工場から工場であれば問題はない。分譲マンションなど生活の場で、かりに、地下に汚染があったとしても、実際に利用していく上でほぼ人体に影響はない。汚染された土地は資産価値が下がる、といった風評が一人歩きし勝手に広まっただけなのである。これは、調査会社側にも大きな問題があると澤田社長は指摘する。

所有者が土地の調査をするのはそうそうあることではない。それだけに、調査内容は一般にはわかりにくい。フェイズIだけでは汚染の危険性が曖昧と判断し、明確にしようとする。一部の条例を除いて、法律ではやらなくてもいい調査なのだが、資産価値の視点からすれば、25種類の汚染がゼロである証明書を手にしたい。汚染が出ればその対策として膨大な費用が発生することからも、そこにつけ込み商売をする調査会社が存在することは否めない。

「所有者が膨大な費用を納得し、買主もそれを望み、お互い合意のもとであれば問題はないのですが、ほとんどの場合、所有者も買主も汚染が出ると思っていません。だから、土壌調査は最初が肝心なのです」
「我々は、マニュアル通りに調査するのではなく、法令を遵守しながら、問題解決型の考え方を大事にしています。ご依頼をいただいた時点で、解決に向けたシナリオを想定し、最終的に不動産取引ができるかを考え、最善の提案を行います。ですから、調査しないという選択肢もあります。最初にゴールをイメージできるかどうかが鍵なのです。欧米ではどれだけのリスクがあるのか、というリスク情報を重視する。基準値とリスク評価の両方でレポートするのですが、日本は数字がすべて。100か0なのです」

例えば、健康診断の検査結果で動脈硬化がみつかったとする。その患者さんがアスリートであれば、激しいスポーツに耐えられる状況を目指す治療を必要とするが、一般の人であれば、ウォーキングに支障がない程度に回復すればベスト。検査結果だけで判断するのではなく、患者さんの目指す状況に合わせて治療をするという考え方である。これを病気が汚染で、患者さんの目指すものが土地の利用用途、治療を調査に置き換えると、澤田社長の理念が理解できるだろう。

「環境問題と経済、その間をどう考えるか、そこで悩むんです。私は中庸を得た考え方を大事にしているので、迷った時の判断基準をどこにするか、これを論語とか、哲学から学んでいます。調べるだけなら簡単ですが、絶えず判断が必要とされます。お客様が来られた時から、その判断がはじまります」
澤田社長は、住友グループの物流の会社から、環境アセスメントの技術系の会社に転職。生態の調査の考え方を学んだら、土壌のことが書いてあった。「これからは、土壌の仕事が注目を浴びるのでは」と、調査会社の扉を叩き、そこに入社した。それが、はじまりだった。
法律ができた当初、ゼネコン、建設、土木関係、電力会社、ガス会社など2,000社もの参入があったが、やり方がわからないので、どこも同じ提案になる。すると価格競争になり撤退が相次いだ。現在、400社程。この数からも、いかに安易に参入した企業が多かったかがわかる。
「うちは、適正な価格でやらせてもらってきたから、それが良かった。運が良かったんです」

業界を変えたい、という思いは、創業から11年を経た今、だいぶ浸透した。フェイズIの地歴調査は女性を起用していることも強みだ。資料を集めたりヒアリングしたり、現場で写真を撮ったりする作業は、女性の方が向いているという。次のステージは、サービスの多様化に挑む。お客様に合ったサービスを、きめ細かくできるような会社にしたい。

「土壌汚染だけではなく、土地取引における問題に対処する為には、社員一人ひとりにスーパージェネラリストを目指してもらいたい。スペシャリストではなくジェネラリスト、それもスーパーな、マックスな」

顧客が求める以上のものを提案するには、よりコミュニケーションを取って、相手のことを知り尽くさないといけない。調査会社の常識を超えた、真の調査を追い求めるために。

取材:2014年 7月24日

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